2012年10月24日

心揺さぶられる名作『盆栽との対話』森前誠二 (著)


盆栽との対話


偉大な名作の影に必ず名人、またはカリスマが存在します。本書の著者、森前誠二もまた、その中の一人である。


著者は、かつて日光山・輪王寺の作庭師を務めた「植七」の一八代目に当たる。 15歳で竹楓園に入門。10代後半は一心に修行に励み、20歳で銀座三越の竹楓園銀座店の番頭に。全国の愛好家から信頼を得るが、盆栽の魅力をより幅広い 層に伝えたいとの思いから独立、「銀座森前」を開く。価格や技術に走る斯界の因習に異を唱え、どんな盆栽にも通底する「大自然の縮図」としての姿を慈しむ対座のあり方を一貫して志向する、まさに盆栽界の『カリスマ』である。


それだけに、氏が手間と時間をかけた盆栽は他では得がたいものである。その思いを盆栽のカラー写真と創作の根源ともいえる随想録が一冊にまとめられたとなれば、ぜひ手に取ってみたい。


本書の仕立てとして、盆栽は数ある日本の伝統文化の中でも華とし、園芸とは一線を画します。なぜなら、盆栽とは、人という業の塊が昇華して書き上げた「自然」とする。近年、ガーデニングや草花など、自然風と称した軟弱なものがもてはやされる中、自然を問い直し、日本文化の神髄を具現化します。


何より、紹介するのをためらうほど随想集は秀逸すぎる。なぜなら、本書には私に足りないことがすべて書かれているからです。本書を読んで、自然に尊敬の念を抱き、畏怖を抱き、己を問い質し、精神の高みを得る。心揺さぶられるほど力強いメッセージが数多くある。


盆栽の本とひとくくりにされてしまわれそうだが、本書は盆栽、日本文化、自然について学ばせてくれる珠玉の一冊である。


001.jpg

盆栽との対話





--------------
お仕事のご依頼、杉田造園についてはこちらから→ http://www.sugizo.jp 
ご質問、ご感想はこちらです→
 m@sugizo.jp
twitterはじめました→ http://twitter.com/sugizo28


ブログランキングに
↓どうぞご支援くださいm(_ _)m
人気ブログランキングへ
posted by sugizo at 16:35| Comment(0) | 知恵の森 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月23日

私たちが忘れたこと『虫眼とアニ眼 』養老 孟司 (著), 宮崎 駿 (著)』

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)



さまざまな子育ての方法がある。現在は非常にバラエティーに富み、脳の活性化から英語教育まで充実している。学校でも個性重視をうたいさまざまなプログラムが行われる。その結果、子供は賢く、発想豊かになったのだろうか?


本書は、解剖学者養老孟司とアニメーション作家宮崎駿が独自の視点から子供や若者をめぐる現状についてざっくばらんに語りあう対談集。


その内容は、自然と人間のことを考え、子供や若者への思いを語る。自分を好きになろう、人間を好きになろう、自然と生きるものすべてを好きになろうという前向きで感動的な言葉の数々は、時代に流されがちな私たちの心に響く。


特に冒頭で宮崎氏が描き下ろしている、22ページにも及ぶカラー漫画は秀逸。老若男女の誰もが「隠された自分の感覚や能力を発見できる」町の創設を、「養老天命反転地」をデザインした荒川修作とともに提唱している。とくに、保育園 や幼稚園を中心にして町づくりがなされているところが、子どもたちに関心を注いで映画作りをしてきた宮崎らしい発想できわめて、具体的に紹介される。


本書には、単なる知識やテクニックだけでなく、微小な特徴を感じ、それに感動できるセンスを持つことの重要性を教えてくれる。また、対談形式ということで非常に読みやすい。


宮崎映画を何度も見たという方は多いと思うが、そのエッセンスの本質を知るためにも読んで損のない一冊。お二人とも多忙なため、長期にわたる対談がなされ、二度とお二人が揃うことがないかもしれない。子供たちに。私たちに何が必要で、何が必要ないか。都市化した社会で私たちが忘れてしまったことを教えてくれる。


001.jpg

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)





--------------
お仕事のご依頼、杉田造園についてはこちらから→ http://www.sugizo.jp 
ご質問、ご感想はこちらです→
 m@sugizo.jp
twitterはじめました→ http://twitter.com/sugizo28


ブログランキングに
↓どうぞご支援くださいm(_ _)m
人気ブログランキングへ
posted by sugizo at 16:00| Comment(0) | 知恵の森 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月14日

京都撮影のアドバイス『京の花(秋冬)』水野克比古(著)


京の花 (秋冬) (Suiko books)


じりじりとした暑さがうそのように、涼風が身を包む。
まだ、夏の名残りがある秋の彼岸にも決まって彼岸花は咲く。季節は絶え間なく流れてゆく。

今日の一冊は、写真家 水野克比古氏が秋から冬にかけて咲く京の花の数々を美しいカラー写真で紹介する一冊。野の草に軒端に透き通った風を運ぶ季節に、哀愁の香をしのばせて咲く京洛の花々を写してくれる。

著者の水野氏は、京都をテーマにした写真集を多数出版する「京都写真」の第一人者。日本の伝統文化を深く見つめ、1969年から風景、庭園、建築など京都の風物を題材とした撮影に取り組んでいる。その作品は国内はもとより、「美しい京都を撮る写真家」として海外での評価が高い。

暑さもすぎ、観光シーズンでもある今日この頃。もし京都へ行く際は本書を片手に持っていくと、写真家ならではの目線もわかり、一味違った観光になるかもしれない。
さらに、有名寺院はもとより京都の穴場スポット等でも撮影されているので、写真を元に足を運んでみるのも面白いかもしれない。

見て楽しむだけでなく、写真を撮りに外に出たくなる一冊です。


001.jpg

京の花 (秋冬) (Suiko books)



--------------
お仕事のご依頼、杉田造園についてはこちらから→ http://www.sugizo.jp 
ご質問、ご感想はこちらです→
 m@sugizo.jp
twitterはじめました→ http://twitter.com/sugizo28


ブログランキングに
↓どうぞご支援くださいm(_ _)m
人気ブログランキングへ
posted by sugizo at 17:22| Comment(0) | 知恵の森 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。