2012年10月23日

私たちが忘れたこと『虫眼とアニ眼 』養老 孟司 (著), 宮崎 駿 (著)』

虫眼とアニ眼 (新潮文庫)



さまざまな子育ての方法がある。現在は非常にバラエティーに富み、脳の活性化から英語教育まで充実している。学校でも個性重視をうたいさまざまなプログラムが行われる。その結果、子供は賢く、発想豊かになったのだろうか?


本書は、解剖学者養老孟司とアニメーション作家宮崎駿が独自の視点から子供や若者をめぐる現状についてざっくばらんに語りあう対談集。


その内容は、自然と人間のことを考え、子供や若者への思いを語る。自分を好きになろう、人間を好きになろう、自然と生きるものすべてを好きになろうという前向きで感動的な言葉の数々は、時代に流されがちな私たちの心に響く。


特に冒頭で宮崎氏が描き下ろしている、22ページにも及ぶカラー漫画は秀逸。老若男女の誰もが「隠された自分の感覚や能力を発見できる」町の創設を、「養老天命反転地」をデザインした荒川修作とともに提唱している。とくに、保育園 や幼稚園を中心にして町づくりがなされているところが、子どもたちに関心を注いで映画作りをしてきた宮崎らしい発想できわめて、具体的に紹介される。


本書には、単なる知識やテクニックだけでなく、微小な特徴を感じ、それに感動できるセンスを持つことの重要性を教えてくれる。また、対談形式ということで非常に読みやすい。


宮崎映画を何度も見たという方は多いと思うが、そのエッセンスの本質を知るためにも読んで損のない一冊。お二人とも多忙なため、長期にわたる対談がなされ、二度とお二人が揃うことがないかもしれない。子供たちに。私たちに何が必要で、何が必要ないか。都市化した社会で私たちが忘れてしまったことを教えてくれる。


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虫眼とアニ眼 (新潮文庫)





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2012年10月14日

京都撮影のアドバイス『京の花(秋冬)』水野克比古(著)


京の花 (秋冬) (Suiko books)


じりじりとした暑さがうそのように、涼風が身を包む。
まだ、夏の名残りがある秋の彼岸にも決まって彼岸花は咲く。季節は絶え間なく流れてゆく。

今日の一冊は、写真家 水野克比古氏が秋から冬にかけて咲く京の花の数々を美しいカラー写真で紹介する一冊。野の草に軒端に透き通った風を運ぶ季節に、哀愁の香をしのばせて咲く京洛の花々を写してくれる。

著者の水野氏は、京都をテーマにした写真集を多数出版する「京都写真」の第一人者。日本の伝統文化を深く見つめ、1969年から風景、庭園、建築など京都の風物を題材とした撮影に取り組んでいる。その作品は国内はもとより、「美しい京都を撮る写真家」として海外での評価が高い。

暑さもすぎ、観光シーズンでもある今日この頃。もし京都へ行く際は本書を片手に持っていくと、写真家ならではの目線もわかり、一味違った観光になるかもしれない。
さらに、有名寺院はもとより京都の穴場スポット等でも撮影されているので、写真を元に足を運んでみるのも面白いかもしれない。

見て楽しむだけでなく、写真を撮りに外に出たくなる一冊です。


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京の花 (秋冬) (Suiko books)



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2012年10月10日

これこそ先人の生活の知恵『植物故事ことわざ』近藤 浩文(著)



植物故事ことわざ (カラーブックス (570))


神代の時代から先人が自然とともに歩んだ歴史、生活の知恵がここには詰まっている。

故事、ことわざは人々が身の回りの自然事象を肌で感じ、体で覚えたことを短い言葉に直し、子や孫に語り継ぎました。時代は進み、現代のパソコン、スマホのテクノロジーが普及する中でも人々の日常会話の中に故事、ことわざは過去の物ではなく、脈々と根付いています。

特にその中でも、農耕を中心として文化が発展した日本では植物の生態から生活を支えた言葉が多々あります。

本書は、115種類の植物を取り上げ、写真とその植物にちなんだ故事ことわざの解説を一冊まとめた一粒で二度おいしい一冊です。古い本ですが、植物と言葉をテーマにした貴重な一冊です。


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植物故事ことわざ (カラーブックス (570))




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