2012年09月29日

信仰心のゆくへ『生駒の神々―現代都市の民俗宗教』宗教社会学の会/編

生駒の神々 オンデマンド版


“生駒の神々の全貌がここに”


生駒とは、大阪、京都、奈良にまたがる標高、数百メートル。南北35q、東西10qの山脈。日本ならどこにでもありそうなこの山が、民間信仰、宗教のメッカとして栄えた。本書は、この生駒の神々の謎を探る。


興味深いのは、本書が出版されたのは1985年。日本がバブルに踊ったさなか、巷では不動産、金融取引が盛んで物質主義のさなか、精神主義の信仰を集める生駒との対比も面白い。

寺社仏閣を含め、民間信仰やレジャーまで緻密に調査されている。古代的な容貌さえ見せる信仰の原点が、歴史の時間を遡って露頭を表す。

秋の夜長にちょうどいい、豊潤な一冊です。


◆目次


はじめに

◆I 山・歴史・信仰
二 生駒の宗教史
三 生駒における信仰の諸機能
◆II ひしめく神々――民俗宗教の諸相
一 庶民信仰のメッカ――生駒聖天
二 伝統の重さと毘沙門信仰――信貴山朝護孫子寺
三 デンボの神様――石切神社
四 生駒の修験道
五 中小の神々
六 生駒の民間医療――断食道場と神水
◆III 朝鮮寺――在日韓国・朝鮮人の巫俗と信仰
一 朝鮮寺と巫俗
二 賽神と七星祭
◆IV 神々のエコロジー
一 辻子谷
二 宝山寺周辺

寺社分布図
参考文献
あとがき



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生駒の神々 オンデマンド版




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2012年09月27日

真剣に住まいについて考えている方へ『日本人はどう住まうべきか? 』養老孟司 (著) 隈研吾 (著)

日本人はどう住まうべきか?


養老「建築業界では、津波についてどい対応を考えていたんですか?」
隈「驚くべきことに津波に関してはノーマークだったんです」

この本、かなり本音で語られています。
本書は、東日本大震災以降の大問題。日本人の「住み方」について考えるがテーマ。都市集中。過疎。自然喪失。高齢化。そして、震災、津波。21世紀、どこに住み、どう生きるのが幸せかを『バカの壁』でおなじみの養老孟司氏と建築家、隈研吾氏の対談形式で語られます。

まずはじめに、かなりの雑談がそのまま本になっています。建築、住宅、不動産などに通じていない方はふざけているのかと誤解を生むかもしれませんが、かなり事実で本音です。

まずは、気になったお話をピックアップしてみましょう。


◎隈「かつての大工さんといえば、クライアントの家に絶えず出入りして、生活の癖を知りつくしていたので、そこに住んでいた人のニーズを汲み上げて、プランニングもアフターケアーもできたんですけど、いまはそうではない。作ったらおしまい。工事の時だけの使い捨ての存在で、その前もその後も、住んでいる人と関係がない」


◎隈「無意味な一律の基準をやめて、それぞれの土地で細かく計算して「だましだまし」やる」
 養老「その「だましだまし」という姿勢は大事なことですよ」


◎隈「日本のデペロッパーは、超高層にからむような大きなプロジェクトをでっち上げ、話題作りしない限り商売はできないという構造になってしまっています。」


◎養老「経済学の考え方は、つまり人間の欲望をベースにしているのかもしれません。だから、「こうありたい」というバイアスがつよくかかってしまう」


◎養老「建築ってロケーションが大事でしょう」
 隈「ロケーションで8割ぐらい決まります。建築家がやれることなんか限られているんです。ロケーションが恵まれていたら、だいたい勝ったも同然です」


◎養老「日本は、短期の手続き主義に陥っちゃたんですね。手続き主義って非常に安定していてシステムの中ではいいんですよ。手続き主義だけやっていくと、道は見えていて歩けるんだけど、最終的にどこに行くかわからなくなる。この道は安全確実に歩いて行けますよ、ということはわかるんだけど、じゃあ俺たちは、いったいどこへ行くんだよ、という」
 隈「一番危ない方にむかっている(笑)」


ここに書き記せないほど、お二人の面白く、役に立つ話が満載です。
家を建てたい方、子育てで子供をどのように育てるかで悩んでいる方は読んでおいて損のない内容です。

建築だけでも業界の裏話があり参考になる上、その社会背景まで、一刀両断します。まず、テレビなんかでは放送できない話も多々ありますので、ぜひ買ってみてください。



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日本人はどう住まうべきか?



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2012年09月26日

『瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る: 植樹による復興・防災の緊急提言』宮脇 昭(著)

瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る: 植樹による復興・防災の緊急提言 (学研新書)


しっくりこない一冊。

今日の一冊は、過去にも取り上げた宮脇昭氏です。


内容は、震災によって出た大量の瓦礫。その利用可能なものと、毒と分解可能なものとを分別した、それ以外の土に混ざった木質瓦礫、レンガ、コンクリートの破片などはすべてをエコロジカルにもともと有効な地球資源として活用する。その上に土をかぶせ樹木の苗木を植える『瓦礫を利用した防潮林堤=森の防波堤プロジェクト』を語ります。


著者は、横浜国立大学名誉教授で、世界各地で植樹を推進する現場主義の植物生態学者として、これまで国内外1700カ所以上で植樹指導し、4000万本以上の木を植えている。『植物と人間』『木を植えよ!』など著書多数の経歴の持ち主。当然、被災地が瓦礫処理で困っている中、それを有効利用し処理していく立派な計画です。


しかし、しっくりこない。


本書でも瓦礫を埋めることに環境省からの抵抗が多く、安全性を伝えるためかなりの労力を尽くしています。


過去にも災害の瓦礫を埋めた事例はあり、その一つ横浜の山下公園は有名。当時、関東大震災の復興事業として市内の瓦礫などを大正14年から4年がかりで埋立て、上部を良質な土で覆土して造成が行われ、公園の基本的な形ができあがりました。当時とは環境整備の事情が変わり事実、誰も言わないが産業廃棄物処分法が各自治体の手足を縛っているので安易に埋めるのは難しい。


ただ、これがまかり通るなら、もっと東北の方が助かる瓦礫処理、また各自体にお願いしないでも瓦礫を処理する方法があったのではないかと感じた。

本書の内容とは外れてしまうが、著者、行政が自身の手法に固執せず、素直に物事を考えれば、東北の復興は早まったのではないか?

都市計画を含め、震災後の対応を悔やんでしまう。


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瓦礫を活かす「森の防波堤」が命を守る: 植樹による復興・防災の緊急提言 (学研新書)


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